バレエという芸術世界の華やかさと楽しさに魅せられた人全員に共通するのが、”踊るのが楽しい”という気持ち。
その気持ち持ち続ける為には、怪我のないダンサー生活が必須です。身体への正しい知識と理解、それに基づく強い身体作り、バレエの基礎を大切にする姿勢。
そのために必要な情報をお届けします。
前回(Part1とPart2)で、美しい甲の為には、
・Part1:http://ccba.blog.shinobi.jp/Entry/657/
・Part2:http://ccba.blog.shinobi.jp/Entry/658/
”強さ”と”柔らかさ”を兼ね備えた上で、自分にとって一番美しいラインを、
全身で作りだす必要がある。
というところまで来ました。
今回は、最初の”強さ”と”柔らかさ”の部分について考えます。
美しい甲を手に入れたい!という要望に対して、足底筋を鍛えよう!というのは、誰しも理解していることだと思います。
勿論、足底筋を鍛えることは、甲の為にも、そしてそれ以外にもとても大切です。
つまり、甲を支える足裏の筋肉がなければ、幾ら甲が出ていても正しくルルベやポアントで立つことは出来ないので。
解剖学的に言うと、筋肉は、一方が縮むと、その反対側は伸びます。
これを甲で考えてみると、甲が伸びるということは、その反対側の足底が縮む必要があるのです。だからこそ、足底筋を鍛えよう!ということになっているはずです。
また、人間の身体は、幾つもの骨で構成されています。
そのうち、足には、身体の4分の1の骨(約28個)が集まっています。
そして、足の甲は、一つの大きい骨ではなく、幾つかの小さな骨や関節で形成されているのです。
但し、これらの骨の形や関節の形は、生まれつき、甲が低いとか高いとか、足首が硬いとか緩いとか…ということがあります(鼻が高いとか、手足が長いとかと同じようなものです)。
でも、ということは、甲が無いわけではないのです。
骨は、余程の事が無い限り、きちんとあります。
さて、ここで、今一度考えてみて下さい。
「甲」は、”出す”ものではありません。
正しくつま先を伸ばす(脛からつま先までを真っ直ぐにする事)ということをした結果、「距骨」が滑り出てくるのです。
だから、甲を正しく出し、美しい足先までのラインを得る為には、
「足裏の筋肉を強化する」だけではダメで、同時に、「つま先を正しく伸ばす練習をする」ということが必要になるのです。
この「つま先を正しく伸ばす」というのは、自分の持っている関節を、きちんと動かして正しく使うということです。
この方法しか、美しい甲を手にすることは出来ないのです。
しかし、これが、とても難しいのです。
一方、甲を高くしたいという一心で、間違ったエクササイズをしている人を多く見かけます。
間違ったエクササイズをすることで、生まれながらに形成されている関節のバランスが崩れてしまいます。自分の身体のバランスを自ら崩してまで甲を出す必要はありません。
では、”きちんと足の関節を使う”為には、どうすれば良いのでしょうか?
先ずは、(1)足にある骨を、バラバラに使えるようになることです。
(但し、これは、骨や関節がまだ固まっていない若い年代の人と、大人から始めた人とでは異なります。これはとても大切なことです。ポアントを早い年齢で履かせることを善しとしないのも、その為です。)
そして、(2)甲を足の部分のことだけと思わず、全身をくまなく使うということです。
(1)足の骨をバラバラに使う
足には、骨が多く存在します。骨が多いということは、関節(骨と骨を繋ぐ)も多いということです。
そして、関節が多ければ多いほど、よく動く、柔らかく動く、細かい動きができるということです。
だからこそ、体の一番下で全身の動きを支える足は、柔らかく動きながら、微妙なバランスを取るという高度な働きが出来る仕組みになっているのです。
結果、”足で語る”ということも可能になるのだと思います。
話はそれますが、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。
解剖学の研究家でもあった彼は、人の足について、
『足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である』
と述べています。
ダ・ヴィンチの死後、500年弱。
現代人(子供も大人も含め)の足は、ヒールなどの履き過ぎ、機能性の良い靴に守られ過ぎなどで、足本来の機能を果たしていません。
技術の進歩、時代の進化と共に、人の足はその力強さを次第に失い、危機的な状況になっています。
”98%の子どもは健康な足で生まれてくるが、60%の大人は足に障害を持っている”
と言われていますが、今は、10歳前後の子供でも、偏平足、外反母趾、浮指、様々な足の問題を抱えています。
ただでさえ、足の筋力不足は深刻な問題なのに、その問題を抱えたままレッスンを重ね、更に、ポアントを履くことを考えると...。
その先は自ずと想像がつくと思います。
足がとても重要なポジションを占めるダンサーであればこそ、足の重要性をもっと認識し、ケアと強い足を作ることを考えて行くべきだと思います。
という訳で、今回紹介したのは、足指の関節を一つずつ解す、中足骨を動かす、足関節を回すなどから始まり、足指を使う練習、足底筋を使う練習、足底筋を使ったままつま先を伸ばす練習など。
先ずは、体重が掛からない状態で色々なことをしました。
これらの感覚や注意点が分かった上で、FrogHand(フロッグハンド)、セラバンドなどを使って練習してみて下さい。
但し、ただ形だけ真似ると、使って欲しくない部分を使っていたり、代替動作が起こったりしている可能性もありますので、考えながらやってみて下さい。
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”強さ”と”柔らかさ”を兼ね備えた上で、自分にとって一番美しいラインを、
全身で作りだす必要がある。
というところまで来ました。
今回は、最初の”強さ”と”柔らかさ”の部分について考えます。
美しい甲を手に入れたい!という要望に対して、足底筋を鍛えよう!というのは、誰しも理解していることだと思います。
勿論、足底筋を鍛えることは、甲の為にも、そしてそれ以外にもとても大切です。
つまり、甲を支える足裏の筋肉がなければ、幾ら甲が出ていても正しくルルベやポアントで立つことは出来ないので。
解剖学的に言うと、筋肉は、一方が縮むと、その反対側は伸びます。
これを甲で考えてみると、甲が伸びるということは、その反対側の足底が縮む必要があるのです。だからこそ、足底筋を鍛えよう!ということになっているはずです。
また、人間の身体は、幾つもの骨で構成されています。
そのうち、足には、身体の4分の1の骨(約28個)が集まっています。
そして、足の甲は、一つの大きい骨ではなく、幾つかの小さな骨や関節で形成されているのです。
但し、これらの骨の形や関節の形は、生まれつき、甲が低いとか高いとか、足首が硬いとか緩いとか…ということがあります(鼻が高いとか、手足が長いとかと同じようなものです)。
でも、ということは、甲が無いわけではないのです。
骨は、余程の事が無い限り、きちんとあります。
さて、ここで、今一度考えてみて下さい。
「甲」は、”出す”ものではありません。
正しくつま先を伸ばす(脛からつま先までを真っ直ぐにする事)ということをした結果、「距骨」が滑り出てくるのです。
だから、甲を正しく出し、美しい足先までのラインを得る為には、
「足裏の筋肉を強化する」だけではダメで、同時に、「つま先を正しく伸ばす練習をする」ということが必要になるのです。
この「つま先を正しく伸ばす」というのは、自分の持っている関節を、きちんと動かして正しく使うということです。
この方法しか、美しい甲を手にすることは出来ないのです。
しかし、これが、とても難しいのです。
一方、甲を高くしたいという一心で、間違ったエクササイズをしている人を多く見かけます。
間違ったエクササイズをすることで、生まれながらに形成されている関節のバランスが崩れてしまいます。自分の身体のバランスを自ら崩してまで甲を出す必要はありません。
では、”きちんと足の関節を使う”為には、どうすれば良いのでしょうか?
先ずは、(1)足にある骨を、バラバラに使えるようになることです。
(但し、これは、骨や関節がまだ固まっていない若い年代の人と、大人から始めた人とでは異なります。これはとても大切なことです。ポアントを早い年齢で履かせることを善しとしないのも、その為です。)
そして、(2)甲を足の部分のことだけと思わず、全身をくまなく使うということです。
(1)足の骨をバラバラに使う
足には、骨が多く存在します。骨が多いということは、関節(骨と骨を繋ぐ)も多いということです。
そして、関節が多ければ多いほど、よく動く、柔らかく動く、細かい動きができるということです。
だからこそ、体の一番下で全身の動きを支える足は、柔らかく動きながら、微妙なバランスを取るという高度な働きが出来る仕組みになっているのです。
結果、”足で語る”ということも可能になるのだと思います。
話はそれますが、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。
解剖学の研究家でもあった彼は、人の足について、
『足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である』
と述べています。
ダ・ヴィンチの死後、500年弱。
現代人(子供も大人も含め)の足は、ヒールなどの履き過ぎ、機能性の良い靴に守られ過ぎなどで、足本来の機能を果たしていません。
技術の進歩、時代の進化と共に、人の足はその力強さを次第に失い、危機的な状況になっています。
”98%の子どもは健康な足で生まれてくるが、60%の大人は足に障害を持っている”
と言われていますが、今は、10歳前後の子供でも、偏平足、外反母趾、浮指、様々な足の問題を抱えています。
ただでさえ、足の筋力不足は深刻な問題なのに、その問題を抱えたままレッスンを重ね、更に、ポアントを履くことを考えると...。
その先は自ずと想像がつくと思います。
足がとても重要なポジションを占めるダンサーであればこそ、足の重要性をもっと認識し、ケアと強い足を作ることを考えて行くべきだと思います。
という訳で、今回紹介したのは、足指の関節を一つずつ解す、中足骨を動かす、足関節を回すなどから始まり、足指を使う練習、足底筋を使う練習、足底筋を使ったままつま先を伸ばす練習など。
先ずは、体重が掛からない状態で色々なことをしました。
これらの感覚や注意点が分かった上で、FrogHand(フロッグハンド)、セラバンドなどを使って練習してみて下さい。
但し、ただ形だけ真似ると、使って欲しくない部分を使っていたり、代替動作が起こったりしている可能性もありますので、考えながらやってみて下さい。
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