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バレエという芸術世界の華やかさと楽しさに魅せられた人全員に共通するのが、”踊るのが楽しい”という気持ち。 その気持ち持ち続ける為には、怪我のないダンサー生活が必須です。身体への正しい知識と理解、それに基づく強い身体作り、バレエの基礎を大切にする姿勢。 そのために必要な情報をお届けします。
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美しい甲を目指してということで、前回まで3回にわたり説明してきました。

Part1:http://ccba.blog.shinobi.jp/Entry/657/
Part2:http://ccba.blog.shinobi.jp/Entry/658/
Part3:http://ccba.blog.shinobi.jp/Entry/660/

そして、今回が最終回。

美しい甲の為に必要なことは、

「足裏の筋肉強化」と「つま先を正しく伸ばす練習」です。

そして、この
「つま先を正しく伸ばす」為には、自分の持っている関節を、”きちんと動かして正しく使う”
ということが必要となります。

前回(Part3)では、”きちんと足の関節を使う”為には、どうすれば良いか?ということで、2つ挙げました。

(1)足にある骨を、バラバラに使えるようになること
(2)甲を足の部分のことだけと思わず、全身をくまなく使うということ

です。

前回は、このうち(1)について説明したので、今回は(2)甲を足の部分のことだけと思わず、全身をくまなく使うということについて説明します。

大前提として、「足裏の筋肉を強化する」ことは、とても重要です。
その為に、エクササイズバンドやタオルギャザー、そして、フロッグハンドなどのアイテムが用いられていると思います。
が、バレエの為には、バレエで使えるようになるのが目的であり、その為には、やはり、バレエの練習で何とかすることの方が大事です。

さて、そこで質問です。
皆さん、バー・レッスンで、甲を出す為に必要な、強い足裏の筋肉を作るエクササイズ、きちんと出来ていますか?

では、強い足裏を作るエクササイズは、バー・レッスンのどの動きで行われているのでしょうか?









そう、タンジュ(デガジェ)です。

「甲を出す為に足裏の筋肉を強化するエクササイズ」は、「つま先を伸ばすためのエクササイズ」”同じ”です。

つまり、バー・レッスンの、タンジュとデガジェが正しく出来ているかということに尽きます。

タンジュとは、1番&5番ポジションから、足を前・横・後に出し、1番&5番ポジションに戻るという動きです。

先ず、この1番&5番ポジションに正しく立つというところがとても重要です。
出だしが間違っていたら、その後正しい動きは出来ないからです。

(誰の言葉かは分かりませんが)よく言われる以下の言葉。

”プリエをホンの少し適当にやる、
するとタンジュがもう少し適当になる。
結果、ジュッテが適当になり、
グランバットマンがかなり適当になる。
そして、どうなるか、
グランジュッテで転ぶことになります。”

でも、今はこれのもっと前の話です。
1番ポジションに正しく真っ直ぐ立つというところだから。

これが出来ない人、かなり多いです。
骨盤の後傾&前傾、アーチが潰れている、膝が伸びていない&押し込んでいる、腰が反っている、重心がつま先、若しくは踵に乗り過ぎている、身体が前傾しているなど。

骨盤は、身体を上下に分ける部分で、この骨盤の動きはとても重要な役割を果たしています。

先ず、1番ポジションで立った時、踵の上に坐骨があり、その二つを結ぶラインが床から垂直に繋がった意識があるかどうかです。
骨盤を立てて!というのも、このような意識があれば、出来ている可能性が高いです。
この状態で初めて、下半身と骨盤がずれずにセットで、また、骨盤と下半身を分離して動くことが出来ます。

さて、このような正しい1番ポジションが出来ているという前提で、タンジュを考えてみます。

先ず、タンジュの軸足について。

軸足は、床下に向かって錘が付いていて、下に引っ張られるような感じで、床を3点で圧して立ちます。この時、踵に体重が乗っていない、小指から踵までのラインが浮いているなどはNGです。
アーチを意識して、3点で床をしっかりと圧して下さい。
また、上半身は、背中から頭にかけて上に伸ばす様な感じで立ちます。
この時、肋骨が持ち上がる(肋骨が開いてしまう)人がいますが、これもNGです。
背中側を頭の後頭部から引っ張るようなイメージで。
その結果、体が床に対して上下に引っ張れるので、股関節に乗っかるという問題も解消され、足に余な負担をかけずにすみます。

次に、タンジュの動足についてです。

軸足に対して、動足は、足の踵から指先までを、「床をなめるように(マッサージするように)」に動かしながら出します。
その時、踵を上に持ち上げるのではなく、寧ろ、踵は床を圧し、足裏アーチを使って脚全体を伸ばすように使います。
タンジュの動足を動かす時には、まず、脚の裏側の筋肉(ハムストリングや脹脛)を伸ばします。そのまま動きの中でも伸ばし続けていくと、これ以上伸びないという状況になり、この時初めて踵が床から離れます。
そのまま、つま先がギリギリ床から離れないところまで滑らせて行きます。
ということは、踵は、そんなに簡単に床からは浮かないのです。
また、出した脚を1番&5番ポジションに戻す時も、床を滑らしながら戻ります。
この時、踵は、出す時に離れたのと同じ位置で床に着きます。
そして、これは早くてもゆっくりでも変わりません。

もう一つ、タンジュで注意しなければならないことは、両脚のアン・ドゥ・オールの意識です。脚の付け根から踵・つま先までが引っ張られるような感じで、脚全体が螺旋状になりながら遠くに伸びていくようなイメージ。
その際、土踏まずをしっかりと引き上げ、膝の裏側を身体前に捻じる出すように。
また、タンジュし終わった脚も常に遠くへ伸びて行く意識で、止まりながらもアン・ドゥ・オールし続けること必要です。

甲が出るとか高いとかよりも、このアン・ドゥ・オールされた脚全体がつま先まで1本のラインとなって遠くに伸びているということが大事です。
この意識があれば、バナナ足にもならないのです。

また、タンジュを通して、膝は全く緩むことはありません。
特に、出す時と戻す時に、緩む意識はないのに緩んでいる人がとても多いです。
2本の脚から、1本の脚になる時の脚の離れ方と、1本の脚から2本の脚になる時の戻し方。
この時の意識もとても大切です。

さて、ここで大事なことがあります。

これらのことは、甲の高さや甲が出てる、出ていないに関係なく、全ての基本となるべきことです。
甲を出す為のエクササイズがタンジュだとして、甲云々より先にやるべきことは、全身を使ってタンジュをするということです。
軸足にきちんと骨盤が載っていなければ、反対に、関節に乗り過ぎていれば(引き上がっていない)出す脚の自由度は下がり、ましてや、アン・ドゥ・オールしながら動かすことは出来なくなります。
また、股関節からつま先までが一つのラインで繋がっていなければ、足先を伸ばしたり、甲を出したりということも出来ません。

アン・ドゥ・オールをしながら踵を前に出せるようになると、全体的なラインが綺麗になるので、甲が低いとか、膝下がO脚になっていたりするマイナス部分を目立たなくすることが出来ます。
要は、正しいアライメントでつま先までを使うということです。
甲のみに注目するのではなく、甲を含めた脚全体のラインを綺麗にするということを考えた方が良いと思います。

そして、これは、ピケで立つ時にも大切になることです。
特に大人から始めた方は、ピケで立つ時に踵が外側にくるっと回ってしまいがちです(内脚)。
これは、アン・ドゥ・オールを、脚全体を回すのではなく、膝下、若しくは、つま先だけ開くという意識でやっている場合によく起こります。
しかも、この状態で踵を高くという意識があればあるほど、踵を上げると体重が外側に掛かって行くので、結果、薬指か小指の中足骨骨折という怪我にも繋がります。

バレエは、美しいラインを求める為、高い甲に憧れる気持ちも分かります。
が、そういう人程、アン・ドゥ・オールを常に意識し、脚全体の筋肉が生み出すラインを求めて欲しいものです。
そして、正しい動きを習得することは、身体にとっても頭にとっても、そして見た目にも嬉しいことです。
しかも、正しい動きを習得する過程で、足の裏の筋肉、脹脛、足首は、自然と鍛えられるので、結果、強い脚を作ることができるのです。

バレエは、タンジュの良し悪しで、奥深くもなり、陳腐にもなります。

振付家バランシン曰く、「難しいアンシェヌマンをやるよりも、タンジュを何十回、何百回と繰り返す方がよっぽど良い」と。

成る程納得です。

日々の努力の積み重ねが、理想の脚をに手に入れる唯一の方法です。



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